マジメな不動産の話⑦ 中間省略ってナンだ?
緑区の売却購入不動産一柳です。
今日は、不動産屋があんまり知られたくないお話です。えぇでもぶっちゃけますね。
まぁこれ聞くと、一般の方は「詐欺だ!」「許せない!」って言いだすかと思います。それくらい強烈なインパクトのある話です。
これは実在した事例です。
とある不動産屋の社長に300キロ離れた都市部の社長が声をかけてきました。
とある不動産屋の社長をA社長。300キロ離れた都市部の不動産屋の社長をB社長としましょうか。
「この物件、いくらくらいだったら、おたく買ってくれる?」
B社長は、A社長のエリアの物件の売却依頼を受けたんですが、どうも相場が分からない。そこでB社長はA社長に聞いたわけです。
A社長「まー・・4000万くらいだな。」
B社長「よし分かった!!!じゃぁ私と売主さんで契約してくるから中間省略で行きましょうか。」
A社長「おー・・好きにしてくれ。」
これ、何が何だかわからないですよね?しかしこれすっごいカラクリが仕掛けられていて、これどういう約束かと言うと、B社長が売主から不動産を買って、そのまま同日にB社長がA社長に売るわけです。
お金の流れは A社長⇒B社長⇒売主 って感じになる訳です。
ちなみにこれ、成約金額は4000万円。しかしB社長は売主様と4000万円で契約何てしてません。3000万円で契約してました。
そして契約書はB社長と売主様とA社長とB社長との間で2つ出来るわけです。
そこに「第三者に転売する」みたいな特約をつけておけば、これ登記簿にも一旦、B社長が買った履歴は残らず、直接売主さんからA社長に売った形になります。
つまりはB社長はノーリスクで1000万円儲かった訳です。これがいわゆる昔の「中間省略」そして今では「第三者特約」いわゆる「三タメ」と呼ばれている行為です。
ただ、これ違法行為でも何でもなく、一応役所も認めているやり方なんです。てかこの事実を売主さんが知ったら、B社を詐欺で訴えたくなると思いますが(笑)
これ中古マンションや土地や戸建てではほぼ行われておらず、一棟物のビルとか一棟丸ごとのアパートみたいな高額だけど、売主様からすれば値段が分からない物件でやられる事が多いです。
スルガ銀行がまだブイブイ言っているころには、こういう中間省略のみで生きていた業者が東京に腐るほどいて、毎日「中間省略で中抜き出来る物件かわせてください」って電話がかかってきたものです(まともに相手にしなかったですが)
まぁスルガとかかぼちゃの馬車問題が出てから、こういう業者はほぼ全滅しましたが(笑)
とある物件の話をしましょうか。
それは一棟物のアパートで私が査定した金額が14000万円でした。
ですが他者でこの中間省略をやりたがった業者が何と8000万円で査定してきました。
そして売主さんに「この物件は8000万円でも高いくらいです。さっさと売ってしまいましょう!!!」と言ってきました。
その業者は大手だったので、一瞬ぐらッと来ましたが、しかし売主さん冷静になって、15000万円で売却活動をして、苦戦はしましたが14000万円で売れました。
もし大手の営業マンの言うようにやってたら6000万円も損をしていた訳です。終わった後に売主さんは
「大手でもあんな詐欺みたいなことやるんだねぇ・・8000万円で売ってたら私一生、あの人ら恨んでたわ」と。