演劇の独演会みたいなもの・・その3 あなたおかしいですよ。合唱コンクールについて
脚本の独演会?みたいなものを考えてみました・・その3
Mr.あいろに・・・常に世の中を斜めに見たがる、評論家、知ったかぶり、見栄っ張り等々色々と難のある男である。常に書斎に居てコーヒーをすすっている。
何か「懐かしいネタ」について熱く語る男である。
・・インタビュアーが訪問し、そしてMr.あいろにに、インタビューするだけの話。ただインタビュアーのセリフは出てこない
インタビュアー入る。そこで一人でピンポンパンゲームをやっているあいろにが。
あいろに「ぴん」
あいろに「ぽん」
あいろに、インタビュアーを指さす
あいろに「ちょっとちょっと!!!!そこはパンでしょう?」
・・・あいろに、机の上にあったコーヒーを飲む
あいろに「全く・・・昔はよくやったピンポンパンゲームを理解していないおバカさんと同じ空気を吸っているかと思うと・・・」
あいろに「ぶほ!!!!あっつ!!!!」
思いのほか、コーヒーが熱くて噴き出す
あいろに「あぁ・・熱かった・・・は?何が面白いのって?」
あいろに「貴方も無粋な質問をする人だなぁ・・・良いですか?こんなもん何にも面白いわけないじゃないですか?それも分からないんですか?」
あいろに、コーヒーをそっとすする
あいろに「それでもね・・・こんなつまんないゲームでも当時の小中学生はやっていたんですよ。えぇ。完全に面白いとかつまらんとか関係なく、ただの思い出ですよ。」
あいろに「して、今日は何を?」
あいろに「・・・・ほう?今日は合唱コンクールですか・・・よく中学校の頃とかありましたね。あれって全国共通の行事何でしょうか?」
あいろに「僕らの子供のころは、消えた八月とか時の旅人とか、何かそんな合唱コンクール以外で聞いたこともないような歌、歌ってましたね。」
あいろに「で、私に何を聞くと???」
あいろに「・・・・合唱コンクールの思い出ですか・・・まぁ思い出といっちゃなんですが、大体毎年同じような感じでしたね。」
あいろに「えぇ。大体男子と女子の仲の悪いクラスだと毎年同じような事が起きるんですよ。」
あいろに目を閉じてコーヒーを飲む。
あいろに「大体、ああいう合唱コンクール何て、男子って大体やる気ないじゃないですか。でも何故か女子のが「ちゃんとやろうよ」とかそんな雰囲気になってね。」
あいろに「そして、曲も決まって、練習を授業ごとかにするんですけど、大体男子は真面目に歌わないんですよね。そして何日かすると、段々女子がこう噂するんですよ。」
あいろに「ちょっと男子、やる気なさ過ぎじゃない?ってね。」
あいろに「そして、段々女子側の怒りがエスカレートしていくとね。ある日女子の誰かが爆発するんですよ。一番真面目にやってた子が。」
あいろに、コーヒーおいて立ち上がる
あいろに「男子もちゃんと歌ってよぉ!!!!!」・・・「てね。」
あいろに「そして、真面目にやってた子が泣き出すんですよね。えぇ。これも鉄板の流れです。」
あいろに「さすがにそこまでくると、不真面目にやってた男子も悪い気持になってくるんですよね。」
あいろに「そこで、先生の登場です。」
あいろに「先生は、大体この時なぜか優しく諭すように叱ります。そしてまー、100%女子の味方しますね。えぇ。」
あいろに「そして、男子は心の底では『しゃぁねぇか。真面目に歌うふりするか』ってなるんですよね。」
あいろに「そして、そんないざこざもあって、本番当日を迎えるわけです。」
あいろに「で、本番は何故か盛り上がるんですよね。」
あいろに「で、自由曲選択だと、大体、何故かこの時流行ってるJPOP歌うクラスが一つや二つあるんですが、まー大体これこけますね。だって合唱国に向いてないし。」
あいろに「多分、あいみょんの『マリーゴールド』とか米津玄氏の「レモン」歌っても、全然ダメって感じですね。だってああいうのって、あの人らが歌うから良いんですからね。だから、結局優勝するのは、合唱コンクールくらいでしか聞かないような歌になるんですよね。」
あいろに、コーヒーすする
あいろに「そして、本番で歌う前に、大体クラスの代表の女の子がメッセージを全校生徒に出すんです。これも鉄板ですね。
あいろに「私たちは最初はバラバラでした!!!でも、衝突もあったけど。それを乗り越えて、私たちは一つになれました!!!的な」
あいろに「もうこんなシーン腐るほど見てきましたよ。えぇ。」
あいろに「そして歌って、終わって、あぁ良かったね!!!みたいな流れになるんです。」
あいろに「そして優勝何かしちゃうと涙出して喜ぶわけですよ。えぇクラスの皆さん。ほんと喧嘩もあったけど、でもそれも乗り越えて、最高の結果になったよね。って・・・お前ら、恋愛ドラマの主人公かってくらい感極まってるんですよね。」
・・・
あいろに「そんなヒロイックな結果に終わっても、翌日・・・もう翌日には今までの事がなかったような一日が始まり、そして次の日にはもう誰も合唱コンクールで、困難乗り越えたよね!!!なんて一切話なんて出なくなるんですよ。もうあのお涙頂戴ドラマなんだったのかってくらい。」
あいろに「ほんと、人間って悲しいくらい忘れる生き物だなって思い知らされる訳です。」
あいろに「え?合唱コンクールの時、好きな子とかいたかって?」
あいろに「全く、そんな甘酸っぱい事を聞くのが野暮ってもんですよ。さて、今日はこれから「せんだみつお、なはな」をやるから、そろそろ帰りなさい・」
あいろに、振り向てコーヒーをすする。そしてインタビュアー外に出る。