うちのオヤジの武勇伝その②
またまた武勇伝。てかネタには尽きないなこの人。
うちのオヤジの部屋のクーラーはぶっ壊れている。
それもそのはず。
何せ35年前にオヤジの顧客のバァさんから貰ったクーラーだからだ。
もう古くなって、ボロボロになってて、つけても一向に涼しくならないのだ。
いや、涼しくならないどころか、電気の余熱で、逆に熱くなるくらいである。
それでも義理がたくて、変な、オヤジは、壊れたとはかたくなに信じない。
オヤジは毎年夏、汗だくだくになりながらも、クーラーをつけて暮らしているのだ。
何せ昔のクーラーだから激しく電気代を食うため、うちの母親が毎日キレるのだが、それでもオヤジは壊れたとは信じないし、夏の日は使い続けている。
まさにキ●ガイ沙汰だ。
・・・・あれは20数年前の話だった・・・
その頃からクーラーは壊れていた。
そしてそのクーラーの有る部屋で小学校の頃、俺とオヤジはテレビを見ていた。
俺が「ねぇ?全然涼しくないよ。このクーラー」とオヤジに不満を言うと、オヤジは何を思ったのか、クーラーをつけっぱなしで、窓を開けたのだ。
そしてしたり顔で小学生の俺にこう言ったのだ。
「どうや?クーラーと外の空気のダブル効果で、凄く涼しいやろ???」
・・・